本と人とまちをつなぐコミュニティブックカフェ。岐阜県関市のみんなの読書空間と古本販売をしています。

特集:関で本と暮らす2「本と出会うには」

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本と出会うには

本がなければ読書ははじまらない。では、本と出会うにはどんな方法があるのだろう。本屋や図書館が近くにないならば、工夫が必要になってくる。例えば、こんな工夫がされてきた。

 ■学校での出張販売

~生まれも育ちも板取の長屋正幸さん(48歳)に聞いた、本の求め方~

 

子どもの頃、板取地域には、文庫本や雑誌等の書籍を扱うお店は無かったと記憶する。欲しい本はまちに出掛けた際に本屋で買った。美濃町、高富町、岐阜市柳ヶ瀬だったか。近場では洞戸村市場地区だった。そこには文房具屋があり、本も売っていた。

小学生の時、三学期になると学校の図書室で本の出張販売があった。図書室の大きな机の上にズラリと本が陳列され、児童はお正月に貰ったお年玉で好きな本を買った。初めて買った本は正確な題名は忘れたが、からだ云々という学研の図鑑だった。家に帰って見てみると、死後の地獄や天国が描かれ、低学年にはとても刺激が強く、以降その本を見ることができなくなった(笑)。学研の『科学と学習』も、学校へ来ていたため、毎月買っていたと思う。

その後は平成の世まで、本は地域外でしか買う事が出来なかった。地域内についにコンビニがオープンすると、他のコンビニ同様、雑誌類も置かれた。見たことのなかった本が陳列され、板取が文明開化したかのような新鮮な気持ちになった。我が子たちも月刊誌や週刊誌を毎号買っていた。取り寄せもできた。しかし数年前に本の販売を終了している。

現在、板取地域に本屋さんはなく、本が欲しい時は、郡上、関・美濃、山県・岐阜の方面へ出掛けた際、本屋に寄って購入する。欲しい本が無い時は、本屋で取り寄せるか、ネットなどの通販で買う。「すぐに欲しい」「中身を見てからにしたい」という点は我慢すれば本は手に入る。604W

※武芸川では学校の体育館が販売会場になったと聞いた

 

■移動図書館

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※関市提供写真

かつて旧関市内を巡回していた、移動図書館「まなび号」。24年と短命で、中心地では御用がなかった為、利用した人は限られているが、ここで振り返りたい。

まなび号の軌跡(図書館記録、広報せきから抜粋し作成)

昭和48年5月 移動図書館の開設

昭和50年5月 移動図書館車「まなび号」購入 29か所巡回

昭和62年3月 6日間24か所巡回

平成元年10月 移動図書館車「まなび号」2世登場

平成5年4月 6日間22か所巡回

平成6年4月 5日間20か所巡回

平成7年4月 3日間10か所巡回

平成9年4月 1日間3か所巡回

平成10年12月 1日間3か所巡回

平成11年5月 廃止

 

旧関市では「本を自動車に積み込んで市内を巡回し本を自由に選んで、読んでもらおうと」、移動図書館を開始。発足当時はライトバンだったが、市民の読書意欲に応えるため、約800冊積める専用車を購入。名は「まなび号」になった。

滞在時間は45分。巡回先は1カ月で20か所超。各地にふれあいセンターができ始める、そこに設けられた図書コーナーが、まなび号にとってかわってゆく。

巡回先が10カ所にまで減った頃も、神明町は幸い未だその一つであり、小学生の私はその恩恵を受けた。まなび号は月に1回、週半ばの3時45分にやって来た。学校から帰るとすぐ、本を詰めた手提げ袋を持って空き地に向かう。まなび号は店開きをし、子どもや付き添いの大人が集まってきている。手提げ袋を見て誰かが「たくさん読んだね~」と褒めてくれる。まなび号に乗り込み、両側に並ぶ本棚から本を選ぶ。「これ読んだよ」と友達と教え合う。本を選び終えて係の人に見せている時、友達が覗き込んで「こんなん読むんや」と驚いてくれたこともあった。貸出手続きが済めば、子どもは現金なもので、皆に交じって遊び出す。まなび号は時間になると扉を閉めて空き地を出て行った。

やがて神明町も巡回先から外れた。わかくさ・プラザが完成すると、市内巡回バスの運行開始に伴い、まなび号は廃止になった。時代の流れには逆らえない。今思えば、近所でしか遊ばせてもらえず、母親は車に乗れなかった私にとって、まなび号は本と出会える大きな手段だった。昨今は東北の被災地で移動図書館が走り、地元を元気づけているという。移動図書館でしか成し得ないことが確かにある、とあの光景を懐かしみながら思う。

本の買取、寄付お待ちしております TEL 0575-46-8035 営業時間13:00〜20:00(日・祝・月休み)

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